22日に、東京堂書店で行われた横田順彌さんの『近代日本奇想小説史 明治篇』刊行記念トークイベントに行ってきました。
横田さんといえば、幽蘭について現代で(わたしが知る限り)唯一先行研究をされている方。
しかも前々日に、2002〜03年にかけて『日本及日本人』誌(が最近まで続いてたことに驚き。戦前の雑誌だと思っていました)に横田さんが連載されていた幽蘭の抄伝の存在を知って、次の日に国会図書館でコピーをゲットしたという個人的縁もあって、すぐに申し込んでしまいました。
イベントは、横田さんの体調が思わしくなかったために代わりに長山靖生さんと北原尚彦さんがトークをするという話だったそうですが、急遽横田さんもご来場できるようになったという経緯があったそう。
なので、ちょっとお加減が心配だったけれど、笑い声のたえないイベントで一安心。
新刊の『近代日本奇想小説史 明治篇』はお仕事の集大成ということもあって(1200ページ、12000円!)、トークはおもにSF同人誌など初期のお仕事についてが多く、不勉強ゆえ寡聞にして知らない話がたくさんでしたが、お人柄に触れることができてとても楽しく拝聴しました。
とはいえ、今回も質問はおろか話しかけるほどの勇気はなく(!)一人で行って一人で帰ってきました。
あーなんという人見知り。
それはそれとして、『日本及日本人』誌の「明治快人伝 早く生まれすぎた女傑 本荘幽蘭−抄伝−」には知らない参考文献やエピソードがいろいろあって刺激的でした。
とくに幽蘭の父、本荘一行(または本荘八太夫)についての調査は瞠目。
久留米藩で重要な地位にあったとは知っていましたが、藩の内部抗争をなだめたり、廃藩置県の際に起きた暴動を鎮圧したりと人望にも能力にも恵まれた人だったようです。
そのうえ、明治五年にはさっさと刀を捨てて物産会社を設立、東京や大阪で商工などに従事したという変わり身のはやさは、幽蘭にも見られる本荘家の血を見るようで感慨深いです。
横田さんもおっしゃるように、この人だけでも十分本になりそうです。
さて、この記事と同時に国会図書館で見つけてきたのは森実千代著『をんな旅』のなかにあった「環さんと幽蘭女史」。
「環さん」とは言わずと知れたオペラ歌手の三浦環で、森実千代曰く、マレー半島ジョホールのバトババという辺境の地に(ゴム園従事者の家族は別として)女の身で来たのは二十年間の間にこの二人だけとのこと。
ここでの幽蘭は、相変わらずの男言葉で意気盛んにふるまっていたようで、期待を裏切らないのが嬉しい限り。
その他、この日は丹いね子などいくつか記事をゲットしてきました、えへへ。
ともあれ、幽蘭については今後も時間の許す限り少しずつ調査を進めたいと思っています。
20110101
明けましておめでとうございます。
昨年は出版記念イベントに、デザインに、執筆に、ライブに、トークイベントにと充実した一年でした。
これもひとえに見守ってくださる皆様のおかげです。
本当にありがとうございます。
さてさて、今年もすでにいくつか計画が進行中です。
確定し次第、順次お知らせさせていただこうと思っていますが、さしあたって本年度第一弾のお知らせです。
戦前レコード文化研究家の保利透さんが主催する「ぐらもくらぶ」に2525稼業がライブさせていただきます!
しかも、第一部では昨年11月に『ニッポン・スウィングタイム』(講談社)を上梓されたばかりの、音楽ライター毛利眞人さんが大阪から駆けつけてSP盤音源をかけながら、戦前ジャズに関するトークをするという豪華企画。
昨年末に同じくぐらもくらぶや不忍ブックストリートのイベントで同じようなスタイルでイベントをされているので、そこで毛利さんの勇姿をご覧になった方は多いと思いますが、まだの方がいらっしゃいましたらこれを見逃す手はありませんぞ。
もちろん、かける曲は名曲ばかり。
2525稼業は戦前ジャズのカバーから、俗曲、民謡、歌謡曲など「ポピュラーソング」を中心にお届けできればと思っています。
ぜひぜひ遊びにきてください!
-----------------------------------
「ぐらもくらぶ」正月臨發ミニイベント『歌い継がれるジャズ・ポピュラーソング』
戦火を超えてもなぜか現代人の誰もが知るあの唄、この曲……。
ぐらもくらぶ、2011年新春第一弾企画は「歌い継がれるジャズ・ポピュラーソング」と題し、毛利眞人さんと共にSPレコードに刻まれたポピュラーソングをトークと音源で辿り、また、歌のユニット2525稼業には現代に歌い継ぐ古今東西のポピュラーソングを演奏していただきます。
【第一部】
SP盤とトーク:毛利眞人(音楽ライター)&保利透(戦前レコード文化研究家)
【第二部】
ライブ:2525稼業
日時:2011年1月29日 18時開場、18時30分(〜20時30分)
会場:神保町・アディロンダックカフェ
東京都千代田区神田神保町1-2-9 ウエルスビル4F
(金券屋&スタバ路地入り神田餃子屋の向い。地図)
入場料:2000円(イベント終了後、別途+1000円にて交流会参加可)
ご予約:gramoclub78@gmail.com にタイトル【ぐらもくらぶ1月】、本文に【お名前】【電話番号】【人数】【交流会参加可否】記載の上お送りください。予約完了後返信メールいたします。返信メールが迷惑メールとされてしまう場合がありますので、携帯電話のアドレスを記載される場合は「gramoclub78@gmail.com」からのメールを受信拒否しないよう設定しておいてください。また、迷惑メールフォルダもご確認ください。
※ネット優先予約ですが、空席がある場合は当日入場可能(立ち席の場合あり)
協賛:メタカンパニー・オフノート(CD販売コーナーあり)
関連復刻CD情報 「楽しき南洋 〜あきれたぼういず&川田義雄〜」 発売中
「笑ふリズム 〜ナンジャラホワーズ〜」 1月下旬発売予定
主催:ぐらもくらぶ事務局(いにしえ文庫内・03-6273-8158・予約可)
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昨年は出版記念イベントに、デザインに、執筆に、ライブに、トークイベントにと充実した一年でした。
これもひとえに見守ってくださる皆様のおかげです。
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確定し次第、順次お知らせさせていただこうと思っていますが、さしあたって本年度第一弾のお知らせです。
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しかも、第一部では昨年11月に『ニッポン・スウィングタイム』(講談社)を上梓されたばかりの、音楽ライター毛利眞人さんが大阪から駆けつけてSP盤音源をかけながら、戦前ジャズに関するトークをするという豪華企画。
昨年末に同じくぐらもくらぶや不忍ブックストリートのイベントで同じようなスタイルでイベントをされているので、そこで毛利さんの勇姿をご覧になった方は多いと思いますが、まだの方がいらっしゃいましたらこれを見逃す手はありませんぞ。
もちろん、かける曲は名曲ばかり。
2525稼業は戦前ジャズのカバーから、俗曲、民謡、歌謡曲など「ポピュラーソング」を中心にお届けできればと思っています。
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【第一部】
SP盤とトーク:毛利眞人(音楽ライター)&保利透(戦前レコード文化研究家)
【第二部】
ライブ:2525稼業
日時:2011年1月29日 18時開場、18時30分(〜20時30分)
会場:神保町・アディロンダックカフェ
東京都千代田区神田神保町1-2-9 ウエルスビル4F
(金券屋&スタバ路地入り神田餃子屋の向い。地図)
入場料:2000円(イベント終了後、別途+1000円にて交流会参加可)
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