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20170116


「夫人小説大全」の資料の一部


新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

……などとしれっと書きましたが、元旦からすでに2週間。
今さら感が強いですけど、ま、いいじゃないですか。
それはそれとして、ブログの更新もだいぶ止まったままで「夫人小説大全」などはさらに止まったままで心苦しい限りです。
といっても遊び暮らしていたわけじゃないんです。
2016年は短期を含め、5つのバイトを渡り歩きました。
なにやってんだか!
けど、本にまつわる仕事が多く、無駄に好奇心もある方なので概ね楽しくやっていました。
といっても、一からメモとって覚えたりしないといけないので、当たり前ながら他のことはほとんどできないですね。
それに懲りたので、今年はあまり動かず執筆活動に力を入れようと思う次第。
昨秋から某大学図書館に勤務しておりまして、資料はたくさん借りられるし、ソファ席などで書いたりもできるので大いに活用させていただこうと思う次第です。

そうそう、昨年は『力士工 婚活殺人事件』(randam_butter)も出させていただきました。
御入場をお断りしなければならないほどの大盛況でした(入れなかった方におかれましては誠に申し訳ありませんでした)。
幸い、本の方もとてもご好評いただき、増刷させていただいた所存。最近またAmazonでも復活したので、読んでいない方はこの機会にぜひお求めください。
また、誠光社さんでもお取り扱いが始まっていますのでどうぞよしなに。
ブログ連載から少し加筆もしています。
感想まとめもあるでよ。
それと、16年といえば『雲遊天下』(ビレッジプレス)さんで一年連載させていただきました。
連載なんてものは初めてだったのでとても嬉しかったです。

仕事以外では、生まれて初めてアイドルにはまりました、ははは。
わたしが思いの丈を噴出した9000字コラムはこちら。
そもそも誰かにはまるということがほとんどない人生だったので何もかもが新鮮で、且つ(インディーズ)アイドルの、卒業だのソロだのインフル欠場だの活動休止だの再開だのという「物語」には大いに大いに翻弄されました。
その翻弄の頂点は、先日友達が楽器演奏で参加したこと……。
グループは16年内で一旦活動休止、2/18の赤坂ブリッツでのワンマンで復活するそうなので、まだまだ目が離せません。
というか、ファンのライフは0なので、心臓に悪いニュースはもうやめて……。

えっと「夫人小説大全」についても触れておこう。
なかなか更新できていませんが、まったく諦めておりません。
しかし誰も読んでいない、今後も読むことはなさそうな本をおもしろく解説するというミッションはまとまった時間がとれないとなかなか難しく。
なんて言い訳でしかないのですが、もう少し書き方を変えてみようかなあとも思ってます。
突然、口調が変わっても読んでくれるかい?(誰に言ってんだか)

それと、2年がかりで書いていたものの諸事情で止まっていた本荘幽蘭の評伝ですが、今年は動きがありそうな予感です。
この原稿に関しては語りきれないほどの紆余曲折がありましたので、完全に決定するまで差し控えさせていただけたらと思います。
結構傷ついてるんですよ、これでも。
また、それ以外にも書籍の企画はたくさんありますので、今年はなんとかかたちにしたいものだと思っております。

さてさてさて。
昨年の『力士工 婚活詐欺事件』に続き、randam_butterさんで新刊を出していただきましたよー。
フランス人形たちのつんとした表情の画像に意地悪なセリフをつけるという、古くは08年ごろにmixiで始めた遊びを本のかたちにしたもの。
現在、中野タコシェさん、Amazonなどでお取り扱い中です。
こちらも出版記念イベントしたいとは思ってるんですが、どこかいいところないかしら。

……とまあ、相変わらず夢見がちなことばかり書きましたが、今年も何かとお付き合いいただけたら嬉しいです。
今年もどうぞよろしくお願いします。

平山亜佐子

20110124

22日に、東京堂書店で行われた横田順彌さんの『近代日本奇想小説史 明治篇』刊行記念トークイベントに行ってきました。
横田さんといえば、幽蘭について現代で(わたしが知る限り)唯一先行研究をされている方。
しかも前々日に、2002〜03年にかけて『日本及日本人』誌(が最近まで続いてたことに驚き。戦前の雑誌だと思っていました)に横田さんが連載されていた幽蘭の抄伝の存在を知って、次の日に国会図書館でコピーをゲットしたという個人的縁もあって、すぐに申し込んでしまいました。
イベントは、横田さんの体調が思わしくなかったために代わりに長山靖生さんと北原尚彦さんがトークをするという話だったそうですが、急遽横田さんもご来場できるようになったという経緯があったそう。
なので、ちょっとお加減が心配だったけれど、笑い声のたえないイベントで一安心。
新刊の『近代日本奇想小説史 明治篇』はお仕事の集大成ということもあって(1200ページ、12000円!)、トークはおもにSF同人誌など初期のお仕事についてが多く、不勉強ゆえ寡聞にして知らない話がたくさんでしたが、お人柄に触れることができてとても楽しく拝聴しました。
とはいえ、今回も質問はおろか話しかけるほどの勇気はなく(!)一人で行って一人で帰ってきました。
あーなんという人見知り。

それはそれとして、『日本及日本人』誌の「明治快人伝 早く生まれすぎた女傑 本荘幽蘭−抄伝−」には知らない参考文献やエピソードがいろいろあって刺激的でした。
とくに幽蘭の父、本荘一行(または本荘八太夫)についての調査は瞠目。
久留米藩で重要な地位にあったとは知っていましたが、藩の内部抗争をなだめたり、廃藩置県の際に起きた暴動を鎮圧したりと人望にも能力にも恵まれた人だったようです。
そのうえ、明治五年にはさっさと刀を捨てて物産会社を設立、東京や大阪で商工などに従事したという変わり身のはやさは、幽蘭にも見られる本荘家の血を見るようで感慨深いです。
横田さんもおっしゃるように、この人だけでも十分本になりそうです。

さて、この記事と同時に国会図書館で見つけてきたのは森実千代著『をんな旅』のなかにあった「環さんと幽蘭女史」。
「環さん」とは言わずと知れたオペラ歌手の三浦環で、森実千代曰く、マレー半島ジョホールのバトババという辺境の地に(ゴム園従事者の家族は別として)女の身で来たのは二十年間の間にこの二人だけとのこと。
ここでの幽蘭は、相変わらずの男言葉で意気盛んにふるまっていたようで、期待を裏切らないのが嬉しい限り。
その他、この日は丹いね子などいくつか記事をゲットしてきました、えへへ。

ともあれ、幽蘭については今後も時間の許す限り少しずつ調査を進めたいと思っています。

20100731

以前、トークイベントで話したりブログにも少し書いた本荘幽蘭について、時間を見つけてときどき調べています。
今日はデータ化された新聞記事と、2、3の書籍を閲覧しました。
集めてみるとほとんどが噂レベルの話で(記者時代に幽蘭が軍人の妻や両親にインタビューした真面目な記事は除く)実際に行なったことかどうかすらあやふやな情報ばかりでした。
幽蘭という人は、やれロシアで茶店を開くだの有楽座で旗揚げして帝劇と闘うだのと気焔を上げては、資金の手当がつかずに企画倒れというパターンを繰り返しているらしく、そのうち名前を聞かなくなったと思ったら長崎や大連でひょっこり姿を見かけるというのがお決まりのようです。
神出鬼没すぎて足跡を辿るのがかなり難しい。
生きてるときですらUMAのような(!)人なんですね。
でも、それぞれのエピソードになんともいえない味があって、憎めない。
もし本にするとしたら、いわゆる伝記的なまとめ方より、おもしろエピソードや噂話を並べて「しょうがないなあ」と笑っていただく方が楽しいかもしれません。

例えば、今日見つけた記事のひとつは、明治40年3月17日朝日新聞の東京勧業博覧会に関する「博覧會片々」。
3月20日の開催まであと3日、着々と整う準備について描写された記事で、「會場内の整理」「周遊館の絵画取附」「画家とモデル」「公園付近の装飾」「本郷區小學校の出品」「神楽坂と富士見坂」という小見出しが続くなか、最後に「不気味な茶店」。
はい、幽蘭先生の茶店です(もう、先生と呼ばせていただきます)。
記事によると「女記者となり女俳優となりて暫く姿を隠せし幽蘭女史本荘久代は博覧会當込みに花園町辺へ幽蘭軒といふ喫茶店を開き店前(みせさき)の建札に「黒き紅きくさぐさの筆をとり/\”の右手止みがたきを好奇心(すきごころ)の、うつゝともなう茶盆に替へサゝ茶(ぶゝ)召せとさゝぐるは蘭(あらゝぎ)の茶屋の幽蘭女史」など筆太に記すとは凄じき事なり」とのことで、どうもこの立て札が不気味ということらしい。
博覧会を当込んで開店する辺りは機をみるに敏なんですが、こういういらんことしぃなところが幽蘭先生にはある。
先生に特徴的なのは常に主張があるということで、どんな状況で誰を相手にしていても滔々と何かについて語る癖があるのです。
幽蘭軒の立て札にしても、耳目が集まるとあらば多少商売に差し障りがあっても、先生自らが筆を執ることを厭わない。
むしろ厭った方がいい気がするけど、そこは譲らない。
そんな幽蘭……もとい、幽蘭先生の脱力エピソード、機会があればまたご紹介します。


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色も何種類かございます。
今後も続々増やしていきますので、ぜひ見てみて下さいね。