20140918


えー久しぶりにここを覗いてみました。
そしたら最新記事が5月でぶっとびました。
5月といったらまだ一年の前半、希望に燃える春、四ヶ月も前ではありませんか。
まさかそんなに更新していなかったとは……。
とはいえこの四ヶ月、一度神戸に行った以外はどこにも出かけず、
ひたすら自宅とスポーツクラブと図書館を言ったり来たり、
たまーーーーに誘われて飲むくらいという地味な生活をしていました。
そのうちに寄稿などさせていただいた媒体が発売したりしたので、
少しお知らせさせていただきます。

◎8月9日〜9月18日(今日!)まで開催されている
「往来堂書店D坂文庫2014夏」に今季も参加させていただきました。
『昭和史 1926-1645』半藤一利 著(平凡社)
「今あらためて戦争の始まり方を知ろう」と題し、
集団的自衛権行使容認論に端を発した戦争への関心を絡めてみました。
とにかく読みやすくて目からうろこの本です。ぜひ!
(平山亜佐子/挿話蒐集家、デザイナー、音楽家)
http://t.co/22bhd5AkqB


「屋上」林さやかさん編集の『屋上野球 vol.02』に
「変転と不変のプロ野球選手夫人史」を書かせていただきました。
野球好きのための本に野球に暗いわたしが書いていいのだろうかと思いつつ、
長年気になっていた、プロ野球選手の夫人史について書いてみました。
野球選手の夫人はどうしてお嬢様かホステスかアナウンサーなのか、
なぜあんなにも夫を支えることを求められるのか、などなど。
Amazonはこちら

そして『雲遊天下118』に「わたしの好きな女性」を寄稿しました。
『純粋個人雑誌 趣味と実益』も出さず、ブログも更新せず、
去年からひたすら打ち込んで書いているとある女性についてのお話です。!
ご購入はこちらから!

◎そしてそしてカルト的人気を誇る(!)randam_butterさんの
2014年夏コミ新刊『mute こごえで話したいこわい話』
「電話、このオカルティック・コネクター」を寄稿しました。
みんな大好き電話にまつわる怖い話です。
なんとAmazonマケプレで早くも2980円になっているとか!
あ、定価500円で買えますよ。ぜひ。

◎イベントします!
『怨カルトナイト 強欲』!
前半はtigerbutter とジャングルブックスユキさんとわたしで
「一番こわいのは人間でしょう」「欲でしょう」「業だよね」ってことで
あやしい宗教、マルチビジネス、セミナー、コーチングなどなど
語ったり語らなかったり(いや、語るけど)します。
わたくし個人的に気になってるのは号泣市議こと野々村さんがはまってたという
「スカイクエスト」と最近話題の「ズンズン体操」でしょうか。
後半は打ち上げがてら、今思い出してもよくわからない謎の体験を語る
「あれはなんだったんだろう」を開催します。
とはいえ、聞くだけでも全然大丈夫です!

『怨カルトナイト 強欲』
日時:9月27日(土)
   第一部「強欲トーク」18:30~20:00くらい
   第二部打上げがてら『あれはなんだったんだろう』20:30〜
会場:雑司が谷 ジャングルブックス
料金:前半1000円、後半1000円(飲食代)
詳細はこちら

どうぞよろしくお願いします。

20140505



もうかなり前のことになってしまいましたが、山内マリコさんとのトークイベント、無事に終了しました。
来てくださったみなさま、ありがとうございました。

                  *

今日、何気なく青蛙房の大正っ子シリーズから村上信彦『大正・根岸の空』を手に取って読み始めた。
このシリーズは大正時代に子供だった人たちが当時の思い出を書くというコンセプトで編まれており、その舞台は下谷、築地、本郷、早稲田、日本橋人形町、日本橋石町、吉原、銀座赤坂、渋谷道玄坂、神田、浜松河岸、雑司が谷など東京各所にわたる。
子供時代の思い出のせいかとても生き生きとしていて、街の雰囲気が手に取るようにわかって興味深い。
また著名人の意外なつながりがわかったりするので、戦前の東京について知りたい向きにはとくにおすすめだ。
ちなみに『根岸の空』著者の村上信彦氏は明治から昭和にかけて活躍した小説家村上浪六のご子息である。

ところで今日読んでいて、驚いたのは「手製の回覧雑誌」という章。
これが、わたしが小学校時代に作った雑誌となんだか似ているのだ。
この件については先日の山内さんとのトークでも話したが、あらためて書いてみる。

わたしは兵庫県出身で、小学校三年から四年になる春休みに父の転勤で一家で東京に引っ越してきた。
生活や環境がほとんど正反対の世界に投げ込まれたため、当初は大いに戸惑った。
というのも、私立の女子高から公立の共学に移ったため男子という生き物が恐ろしかったのだ。
小四男子といえば体力はついてきているけど精神はまだまだ子供、関西弁をからかってきたり、卑猥語を大声で叫んだり、あたり構わずプロレスを始める野獣にしか見えず、どう接していいのかまったくわからない。
また自営業の子の家にお邪魔したときも、お仕事中のご両親に紹介されて下を向くばかり。
それまで魚屋さんとか新聞屋さんは絵本のなかのファンタジーだと思っていたのだ。
制服から私服に変ったのも困った点で、あるときエプロンのついたワンピースを着ていったら、クラス委員の女子に「ヒラはお嬢様だもんね〜」と嫌みをいわれたこともあった。
ここで、例えばわたしがスポーツが得意だったり勉強ができたり美貌に恵まれていたら、あるいは逆転ホームランが打てたかもしれないが、あいにくどれもぱっとせず、家が近い女子と仲良くするくらいしか手がなかった。
そうこうするうちに、いつの間にかミスプリントの裏紙に絵や漫画を描くのが趣味になった。
一丁前に「続き読ませて」と言われたりして(当時、学級文庫に漫画が禁止されていたので飢えていただけだと思うが)調子に乗って描き続け、紙が底をつきそうになって担任の先生に怒られるほど夢中になった。
そこで、突如漫画雑誌創刊を思いつく。
確か六年の頃だった。
学年三クラスのなかから少しでも絵が描ける、話が作れるという人をスカウトし「あなたは連載30ページね」「あなたは40ページ」という風に振っていった。
雑誌『なかよし』や『マーガレット』並みの厚さの雑誌を月刊で出すつもりでいた。
自分は連載40ページと読み切り60ページを描き(この読み切り漫画のタイトルが先日のトークイベントのサブタイトル「炎のごとく」なのだ!)、巻頭カラーページ、プレゼントページ、表紙など諸々を担当した。
そしてなぜか学年中を周り「これから雑誌創刊するから『喜びの声』を書いて」と強制的にメモサイズの紙を渡した。
誰に乞われたわけでもない、ただ作りたくて作る雑誌の「喜びの声」などヤラセでしかないのだが、わたしの情熱は止まらない。
みんなもなんとなく気圧されて「楽しみにしてます」とか「待ってました」と書き、受け取ったわたしはそれをせっせと書き写した(回覧雑誌だから一冊しかない)。
一号はなんとかできた。
原稿をまとめてみたら束は2cmくらいしかなく、イメージとだいぶ違った。
当たり前だ、漫画雑誌は束の出る紙を使っているのである。
まだまだだな、と奮起して二号もなんとか出た(一号より若干薄かった)。
三号の準備中、みんなが原稿を上げてこないので鬼編集長は各家に電話した。
「何してるの? もう締め切りとっくに過ぎてるんだけど!」
すると思いもかけない返事が返ってきた。
「……だって、今、中間テストじゃん」。
中間テスト……なんだっけ…その響き……。
雑誌のこと以外何も考えないわたしに、それはいわばヌーヴェルヴァーグだった(それにしても中間テストがあるということは中学生なわけで、途中で中学生になったのだろーか、記憶が曖昧である)。
そんなわけで、この雑誌はあえなく廃刊した。
中学二年になって、また別の雑誌を創刊したが、メンバーも一新し、漫画以外に小説やイラストも載せた現実的な内容で、コピーという文明の利器も導入されるようになったが、それはまた別の話。

ところで話は戻るが、村上信彦氏が作った回覧雑誌はというと、タイトルは「白椿」、表紙は画用紙で姉に白椿の絵を描いてもらい、少年小説、冒険小説、「コントとも随筆ともつかない短文」、カットや挿し絵を自分で書いたらしい。
最初に見せたのが担任の先生で、その後クラスで回覧したが引っ張りだこだったらしい。
そしてここがポイントなのだが

(前略)私は、かなり傲慢なことをやった。
一つは、雑誌のおわりに白い頁をつくって、そこに読んだものの順に判を押させることにした。
なぜそんなことを思いついたのか判断にくるしむけれども、たぶん判を押させることで権威がつくように感じたのだろう。
愉快なのはいちばん最初に藤原先生から判をもらっていることである。
先生はどんな気持でこんなものに協力する気になったのであろうか。

これはまさにわたしの雑誌に於ける「喜びの声」である。
編集長という立場は人を有頂天にさせ、傲慢にさせるのだ。
それは偉いとかなんとかいうよりも、雑誌作りのあまりの楽しさゆえに忘我の境地に達してしまうのである。
村上氏はさらに特権を見せつけた。

いま一つは投書を募集したことだった。
子供のつくった雑誌に投書欄を設けるという発想自体がひどく大それたコッケイなものなのに、私は大まじめだった。
それは『日本少年』に投書した体験と結びついて、雑誌としてはなくてはならぬもののように思われたのである。
(中略)おどろいたことに、これに応募するものがたくさんあった。
それもいわゆる勉強家ではなく、いたずらしたり暴れたりする連中が画などをかいて届けてくる。
(中略)私はそれをまとめて次号にとじこむ。
そしてナント一篇を選み出し、入選作とする。


然り、然り。
いかにも市販の雑誌らしくするというのは大事なポイントだ。
そしてまた圧倒的パワーを目にすると他の子供たちはつい従ってしまうものなのである。
とはいえ、村上氏は創刊前に本物の雑誌に作文が入選していたし、お父さんは有名作家だしで、まあ権威を持っても仕方ない部分もあるだろう。
わたしなどなんの根拠もないのに威張っていたのであるから、だいぶ事情は違う。
それはそれとして、大正時代の子供も昭和後期のわたしと同じようなことをしていたのだと知り、あらためて楽しい気分になった一日だった。
ちなみに村上氏の「白椿」は三号で終わってしまったそうである。
カストリ雑誌(三合でつぶれる)的運命に倒れたところもなんだか似ている。



20140307



今月もイベント告知だけのブログ更新は心苦しいのですが、そう言いながら変化がないので開き直ってそのようにいたします。

まず小説家の山内マリコさんとトークイベントします!
唐突なイベントタイトルですみません。
この由来も当日お話できればと思っております。
なにしろ20数席しかないプレミアイベントですので、どうかお早めにお申し込みくださいませ。
ちなみにずっとアマゾンで品切れだった『不良少女伝』ですがこのたびイベント物販しますのでどうぞこの機会にお手に取ってご覧下さい(増刷になるといいなー)。


【トークイベント】明治大正昭和アズミ・ハルコ列伝! はみだし女子のススメ
         ~ 翔べ! 炎の如く ~

終わらない日常を生きるはみだし者(アズミ・ハルコたち)に捧ぐ、教科書に載らない不良少女たちのスゴい生き様。『アズミ・ハルコは行方不明』の著者山内マリコと『明治大正昭和 不良少女伝』の著者平山亜佐子がおくる、魅惑のはみだし女子コレクション!

◆日時:3月16日(日)14:30~16:00頃(開場14:00)
◆出演:山内マリコ、平山亜佐子
◆会場:記憶の蔵 文京区千駄木5-17-3(千代田線千駄木駅団子坂口から約15分)
◆参加費:2000円
◆参加方法:店頭またはお電話にて、「記憶の蔵トーク参加希望」とお申し出いただき、お名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。
◆場所がとてもわかりにくいので、必ず事前にリンク先の地図をご確認下さいませ! 当日Google Mapsを頼るのは危険です!
*当日の入場は、先着順・自由席となります。

お問い合わせ先 往来堂書店 03-5685-0807
受付時間 10:00~23:00

それと「あれはなんだったんだろう」が早くも第四回を迎えます。
今回はスペシャルゲストにJOJO広重さんをお迎えして、いつも通り「今思い出してもよくわからない謎の体験」を語りたいと思います。
もちろん、聞くだけでも歓迎です。
予約制ですのでよろしくお願いします。

「あれはなんだったんだろう 第四回」
日時:3月21日(祝・金)18:00〜(退席、遅刻可)
会場:雑司ヶ谷ジャングルブックス
   豊島区雑司が谷2-19-13 ステラ護国寺 B1F
参加費:1000円(飲食費込み。ただし持ち込み大歓迎!)
定員:8名
お申込み:junglebooks○castle.ocn.ne.jp または 036914174 まで
(お手数ですが○を@に替えてご連絡下さい)

よろしくお願いします!