20030825

最近、物覚えが悪くなって困っている。
いや、正確に言うと、最近物覚えの悪い自分に直面する場面が多くて、呆れている。
ここで、21世紀に大都市東京に住む33歳のいい大人として、多分できなきゃいけないと思われるができないことを列記してみよう。

・地図や文字を頼りにたどり着けない
ここでいう地図とは、いわゆるお店の行き方マップみたいなものから本格的な道路地図までをさす。
まず、右に左に回して見ても現在地がわからない。
地図に道路名が書かれていても現場に必ずしも表記してあるとは限らないので、それもわからない。
「この先○○m」の距離の感覚がつかめない。
「二つ目の角を右」と言われた際に、ちょっとしたへっこみや私道を角とカウントするのかわからない。
揚げ句に一瞬左右がわからなくなって逆に曲がったりする。
わたしがたどり着ける唯一の方法は、看板と視覚的な目印(「黄色い家」「小泉のポスター」など)である。
それらが変更されていたら保障の限りではない。

・日本地図の県名が言えない
これはうっすらわかってたけど、最近白地図を見て改めてわからないことにショックを受けた。
わかるのは、北海道と青森と千葉と東京と沖縄だけだ。
なぜか兵庫、岡山、鳥取、京都がわかるのは、地図を覚えたころに兵庫県在住だったからか。
あ、あと琵琶湖が描いてあったら滋賀県はわかるよ。

・東京23区を全部言えない
1、2個忘れるというのはよくある話だけど、4、5個言えない。
普通の大人はそういう場合に山手線の駅を思い浮べて考えるそうだが、当然知らない。
(ちなみに毎日、山手線で通っている)

・カタカナ語を覚えられない
海外小説の人名とか、商品名、外来語など、覚えてても間違ってたりする。
読んでるときは多分、流してるらしい。

・ガイジンの顔を覚えられない
これとカタカナ語は最近のことで、いよいよ老人かと慌てた。
『ゴッド・ファーザー』を観ていて、デ・ニーロとアル・パチーノの区別がつかなくなった。
あと、金髪の人はふたりがゴッチャになってた。

・人名を覚えられない
毎日数名づつ新しい人が登場して会わなくなって、また1ヵ月後くらいに再登場するような場合が頻繁にあるので、最近痛感している。
この2か月で30人は顔と名前がやっと一致した。

・説明書の類が理解できない
電化製品からPC関連(ハード、ソフト、htmlなど)まで、単語がわからないとすぐいやになるのでいつまでもわからない。
一生読まないで済ませたい。
けど、そんなわたしが今、ウィンドウズをはじめ3つの新しいソフトに挑戦して(させられて)いる。
できたら奇跡だ。

・昨日のことも覚えていない
特に服とかごはんは思い出すのにかなり時間がかかる。
なので昨日自分が言ったことなどめったに覚えていない。

要するに、時間軸と座標軸という根本をハナから掴んどらんわけで、普通に生活して仕事してるのが不思議なくらいの五次元野郎、というわけだ。
じゃあ逆にわたしの脳のメモリーを食っている情報は何かと考えてみるに。

・人が言った印象的なこと
自分に対して、あるいは他の事物に対して言った、その人をまさに表わしていると思われる言葉、しぐさ、表情などはすごく記憶している。

・本や映画の中の気に入ったフレーズ
どうやら、本を読んでいて気に入った(もしくはショックを受けた)フレーズがあると、無意識に何度も何度も読み返しているらしく、覚えてしまう。
あるいは、意識的に覚えようと努力することすらある。

・好きな歌の歌詞
これは、好きで何度も聞いているうちに覚えるというのもあるし、ひとりで特訓することもあるが、歌詞が日本語だろうが英語だろうがフランス語だろうがポルトガル語だろうがヒンズー語だろうが覚える。
そして歌う。
もちろんバックの演奏なんかなくても平気。

・過去の印象的なできごとを思いだす
いい思い出も嫌な思い出も、印象に残っているものに関してはよく思いだして、暗くなったりニヤニヤしたりしている。
気が付くとそうしているので、特に理由はない。

つまり、現実なんてどーでもいいってことか?……って、そういうわけでもないんだけど。
ただ、現実は生っぽすぎるというのはある。
なるべく時間のフィルターをかけておぼろげにしておかないと、ショックが大きすぎる。
で、今日も「これ、前にも言ったよね?」とか「さっき言ったばっかりじゃん」とか言われるのさ。

0 件のコメント:

コメントを投稿